教室員インタビュー Interview
消化器外科 黒尾 優太(平成22年度 卒業)
■なぜ、外科を専門に選ばれたのですか?
もともと小さいころから何かを作ったり楽器を演奏したり、手を動かすことがとても好きだったので、「技術的」な要素が多い外科には大変興味をもっていました。
初期研修で第一外科の先生方の手術を見て「自分もこういう手術ができるようになりたい!」と思うようになり、自分の進む道は「外科」だと確信しました。実際、私の場合、卒後臨床研修プログラムで多目的研修コースを選択し、初期研修2年目の12カ月全て外科を選択しました。
■第一外科はどんな教室ですか?
非常に雰囲気の明るい教室だというのが、私が第一外科を選択した最大の理由です。研修医に対して分け隔てなく指導していただいていますし、学生さんにも熱心に応対される先生方の姿が印象的です。
研修終了後、すぐにでも「患者さんの診断、治療の大きな戦力になるように」ときめ細かな指導をしていただいています。また、第一外科は、心臓血管外科、消化器外科、小児外科と、外科の中でも3つの主要な診療科からなる教室で、臨床・研究ともに各専門分野の経験豊富な先生方が在籍され幅広い専門知識が習得できるというのも魅力の1つです。今後どの分野を専攻する場合にも将来性のある教室だと思います。
■第一外科での研修内容についてお話を聞かせてください。
先も述べましたが、私は、2年間の卒後研修プログラムの内、2年目の12カ月全て外科を選択しました。
今は大学病院の消化器外科(胆膵外科)で研修中ですが、すべての手術に助手として参加させて頂いています。まずは先生方の手技を実際に目で見て勉強することが重要と思い、視野の展開や器具の選択など手術書ではわからない実践的な技術を学んでいます。
卒後2年目の現在、手術では開腹・閉腹や腸管吻合などの手技、虫垂切除術・胆嚢摘出術・鼠径ヘルニアなどの手術は術者として積極的に行わせていただいています。経験豊富な先生方に手技のポイントをマンツーマンで指導していただけき、初期研修医の段階で外科医としての基礎となる手技を習得することができます。
外科医として、手術手技だけでなく術前術後管理も非常に重要ですが、特に「患者さんをよく診る」という点をいつも指導されます。一見当然のことのようですが、同じ手術を行った患者さんでも背景やリスク、術後の合併症等の現れ方もそれぞれで、対処方法もさまざまです。
検査データだけにとらわれず、患者さんと密にコミュニケーションをとり、いち早く病状の変化をとらえ、適切な治療を適切なタイミングで行うことの重要さを痛感しています。
■今後の抱負についてお聞かせください。
やはり外科医として、消化器領域に限らずさまざまな分野の手術を少しでも多く経験して実績を積み重ねていきたいです。その中で将来に渡って専門としたい領域が見えてくれば理想です。
■学生さん、研修中の先生方にメッセージをお願いします。
外科はつらい、忙しいといったイメージが先行しがちですが、患者さんの命を預かる手術というのは他には換え難い「やりがい」があると思います。
臨床に関わって初めてみえてくることも多いと思いますから、一人でも多くの人に外科研修を選択していただき、実際に外科を経験してその面白さを感じていただきたいと思います。